最高裁判所第一小法廷 昭和45年(オ)562号 判決 1970年10月08日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人竹原五郎三の上告理由について。
訴外水上征朗には、被上告会社を代理して本件売買代金を受領する権限は与えられていたものではなく、両人は上告人からその使者として右代金を被上告会社に届けるよう依頼されたに過ぎないとした原審の認定判断は、原判決(その引用する第一審判決を含む。)挙示の証拠関係に照らし肯認することができ、原判決にはなんら所論の違法はない。したがつて、所論違法の存することを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠くものである。論旨はすべて採用できない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岩田 誠 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 大隅健一郎 裁判官 藤林益三)